湯泊(ゆどまり)
湯泊は海岸近くに温泉が湧き出していることから、温泉を意味する「湯」と、港や浦を意味する「泊」と合わせ、湯泊と名付けられたと言われています。 湯泊温泉は、平内海中温泉と同じく海岸にある露天風呂ですが、潮に関係なくいつでも入れます。お湯は源泉38℃と少しぬるめです。単純硫黄泉で効能はリューマチ、神経痛、皮膚病、婦人病等です。 湯泊の産業は漁業、農業の他、藩政時代から昭和38年頃までは、クスノキから樟脳を製造していました。 樟脳は衣類の防虫剤、薬品として利用されたほか、セルロイドの原料にもなりました。樟脳は鹿児島藩の重要な収入源でもありました。またサツマイモから澱粉を取り出す「澱粉工場」もありました。 湯泊は、屋久島で一番人口が多くて古くから居住していたと思われる、「日高」姓の人が全くいない珍しい集落です。 郷土芸能としては笠踊り、棒踊り、手踊りがあります。湯泊神社大祭は旧暦11月23日で、当日は棒踊りや笠踊りを奉納します。昔はこの日に七五岳参りもしたそうです。 椋鳩十は長野県喬木村阿島に生まれ、本名を久保田彦穂といい、「片耳の大鹿」、「ヤクザル大王」、「海上アルプス」など、屋久島を題材とした作品を多く残し、屋久島の存在を世に知らしめることになりました。 |