週刊タイガー 2013年12月

週刊タイガー


2013年12月 第4週

「民主主義のプロセスとは」
「スズメバチの爪の垢を煎じたもの」
気がついたら2013年も残りわずかになって来ました。
あ~寂しいなぁ。

そして2014年がやって来まっせ!
今年最後の週刊タイガーはワシと弟分の猫のコヨージとの掛け合い漫才で締めくくりまっせ~!
よろしゅうお願いします。

コヨージ:ボクちんが呼ばれたと言う事は難しい内容なんかにゃ。

タイガー:でへっ、今年もようけコヨージに助けてもろたなぁ~。やっぱし猫の手を借りると仕事がはかどりますワ。

コヨージ:で、今週はなんなんかにゃ~。

タイガー:今年を振り返ってみると、メッチャ色々な出来事があったけれど、何が1番、印象に残ってる?

コヨージ:ポンパバイクを初めた事かにゃ。

タイガー:そうか、、、水上を人力で進んでいく乗り物やな。マイご主人さまは毎日毎日よう飽きへんで練習しとったな。

コヨージ:タイガーは何が1番、印象に残ったかにゃ?

タイガー:SUPボードかな。

コヨージ:そうだにゃ、カヤックも楽しいけどSUPボードも楽しいにゃ。

タイガー:ワシなSUPボードでヨガをしながら考えてんけどな、どうしてこうも人は流されやすいのか、、、という問題やねん。

コヨージ:ん?SUPボードで人が流されたんかにゃ?

タイガー:ちゃうちゃう、その流されるではなく、気がついたら本人の意思とは違う方向に物事が進んでいる事が多いやろ、その話やねん。

コヨージ:えらい難しい問題だにゃ。確かに社会を見ていると、1つの話題ばかり報道されていたのが、次の出来事が起こると新しい問題ばかり話題になって、全く問題が解決されないままに忘れ去られ、かなり時間が経過してから「なんでなん!」ちゅう事が多々有りますわにゃ。

タイガー:ワシの言いたい事と少し論点がズレているけど、まぁコヨージの言うのも分かるで~。

コヨージ:個が集まって集団となる訳やけど、集団行動をするハチについて面白い本が出たにゃ。

タイガー:そやワシまだ読んでへんけど、朝日新聞の本の紹介で、田中優子さんがトーマス・D・シーリー著「ミツバチの会議」を紹介してはったな。

コヨージ:働きバチのうち約3%は探索バチらしいにゃ。探索バチの役目は次の巣をどこに作れば良いのか探すらしいにゃ。
ふさわしい場所とは、広さ、そして天敵や風雨から集団を守れるかという条件で、複数が飛び回り、それぞれがここぞという場所を発見すると巣に戻り、尻振りダンスによるマニフェスト戦を展開して各提案に支援者を取り込むそうにゃ。
で、場所が決まると他のハチは動かなくなり、その場所へ全員で移動するそうだにゃ。

タイガー:なんと民主的なんや!!
お、そういえば思い出した。その探索バチというのは薩摩藩が行っていた郷中教育の正に子供そのものやなぁ~!!

コヨージ:ええ~っ!!なんのこっちゃ。

タイガー:今で言う小学校の低学年の歳になると親元から離れ、「よかにせ」という中高生の年齢に匹敵するリーダーの元で集団で生活をしたんやと。
その生活内容はそれぞれの子供が自分の好きな学問を習い、1日の終わりに集団で話し合いする。
その結果、全員が習って来た知識が集団に行き渡る、という何とも合理的な教育方法やったらしいで。
江戸時代を明治に変えた学問と言えるんやな~。郷中教育の個が今のニッポンを作ったんやで~。

コヨージ:なるほど探索バチからそういう発想が出るとはスゴいにゃ~。けどな、郷中教育の最終目的は島津のお殿様をいかに守るか、、であって、ハチの場合はちょっと違うんちゃん。あ、でも女王バチが島津のお殿様と同じ立場になるのかにゃ~。

タイガー:ごめん、話が逸れたな。ミツバチの話に戻ってや~。

コヨージ:そうだにゃ。著者はミツバチから学んだ事を実践してはるらしいにゃ。

タイガー:何してはる人なん?

コヨージ:ある大学の学科長だにゃ。教授会という会議の中で民主的に運営出来るように努めてはるらしいで。

タイガー:そうやから本のタイトルに「会議」という言葉が出てくるねんな。

コヨージ:紹介してはる田中優子さんは、「かなり専門的な研究書だが、民主主義のプロセスとは何であるかを考える知恵が詰まっている」と書いてはりますにゃ。

タイガー:民主主義のプロセス?

コヨージ:タイガーがSUPボードの上で思案した「本人の意思とは違う方向に物事が進んでいる」という話やけどにゃ。
まず、本人という各個人はどういう関わり方をしたのかにゃ。そして決定はどういうプロセスで出来たのかにゃ。
田中優子さんはこう書いてはるにゃ、「討論の初めにリーダーが行うべき事は、『集団の繁栄にみんなが関係している』と気づかせ、『問題の範囲、解決の為に使える資源、手順の規則などの中立的な情報を与え、その後に』ここからが一番重要やとボクちんは思うねんけど『リーダーが集団の考えに及ぼす影響を出来るだけ小さくする』そして『自由に質問が出来る雰囲気を作り出し、疑問や異議の表明を推励する事こそ重要』だと、なぜなら『集団が選択肢を探す能力は一個人の能力に勝るからである』と。ここでな、田中優子さんが念押しした重要なキーワードを書いてはるねん。
それは、ここにある集団とは、「同じ方向を向く人々ではなく、『選択肢を可能な限りひろげる事の出来るアイデア集団の事』を意味する」とあるんだにゃ。

タイガー:そういうプロセスで誰もが納得出来る結論が生まれるのか、、、、。

コヨージ:誰もが100%納得するかは難しいかにゃ。でもそこへ辿り着くまでに『選択肢を可能な限りひろげる事の出来るアイデア集団』を
作る方がボクちんには関心があるねんけどにゃ~。

タイガー:どういう事かいな?

コヨージ:決して諦めず、他人事とは思わず、周りを含め自分も、全ての繁栄をもたらす為に、何が出来るのかを考える能力が必要なんやな。

タイガー:なるほどな。

コヨージ:田中優子さんは書評の最後にこう締めくくってはるにゃ。「ミツバチから学ばねばならないほど、今や人間は、多様な解答を探ることをしなくなっている。」とにゃ。

タイガー:なるほどな。いいかげんな対処がこういう社会をつくった訳や。

コヨージ:ま、そこまで書いてはれへんけどにゃ。

タイガー:ハチの爪の垢でも煎じて飲まなアカンで~!!

コヨージ:で、オチはこれ何かにゃ。

タイガー:はいな!ハチには爪の垢があれへんから、せめてハチの巣から煎じてみたんや。散歩途中で見つけたスズメバチの巣を粉にして生キャラメルを作ってみたで~!!

コヨージ:えぇ~!! ごっついな~!!確か漢方では生薬になるとか聞いた事あるにゃ。田中優子さんと著者のトーマス・D・シーリーさんにこの生キャラメルをこしらえたプロセスを聞いてもらわなアカンにゃ~!!

タイガー&コヨージ:ワシら陽気な犬猫コンビ~今年もおおきに~感謝です~ごきげんよう~♪



2013年12月 第3週

「朝から晩まで」
「まだまだ先は遠いけど、ひと休み」
ワシの耳は垂れていますけど、耳は良い方ですねん、エヘン。
いきなり自慢話みたいですが、そんな事あらしません。

聞こえてくるのは「蛍の光のメロディ」や。

今年ももうあとわずかやと遠くの方から
「蛍の光のメロディ」が流れて来ているのが聞こえていまっせ。

そんなせわしない時に(←いやいや有り難い事ですぞ!)大量のユズを頂きましてん。

正確に言うと「花ユズ」というユズですねん。
皮の色がレモンイエローみたいに鮮やかなユズですねん。

これから作業するのに、しんどなるから、
あえて何キロか計るのは止めておきましてん。

まず最初にする事はタワシで皮をこすって綺麗に洗います。
それから水気を取り除く為に丁寧に1個ずつ拭いて、皮を剥きますんや。
ここまでの作業で5時間ほど経過したんやで~、ものすごいユズの量や。

それから皮をみじん切りする作業と果汁を絞る作業をこなしたら、なんと夜が更けていたで。
ここまでで、丸1日かかった、というこっちゃな。

で翌日、みじん切りした皮を沸騰した湯に入れ、こぼし、水でさらし、、、と
苦味のあるアクを抜く作業を何度か行ってな~、もう大変や。

さてここからですねん、大変な作業であればある程に
美味しいマーマレードジャムが出来るのでありますなぁ~。

皮に果汁(ひたひたに浸かる量)と、
取り除いていた種を数粒とキビ砂糖(皮とほぼ同量)を加えて、コトコトと弱火で煮ます。

ねっとりするまでが1時間で済むかと思っていたけど、甘い!
マーマレードジャムも甘い!

とりあえず、ねっとりするまで煮て、
種を取り除き、仕上がった頃には陽が落ちかけの夕方や。

ガビ~ン、今日もまた終了かいな、
疲れたので絞った果汁に蜂蜜入れお湯で割ったユズHotでホッとしましょう~かいな。

そして出来たてのマーマレードジャムを試食や。
トーストに盛り上がる位にこすりつけ、いただきま~す!
苦味もなくユズの風味が漂って美味しいがな。

明日は果汁の残りで「ユズぽん」(ポン酢の事やで~)をこしらえる作業が待っているのと、
水にさらしたままの皮がまだ半分あるから明後日またマーマレードジャム作り作業かいな。

手作りは美味しい、けど手間がごっついかかりますな。
手間がかかった分だけ美味しさもまたひとしお!やと、
今年も幸せに暮らさせて貰える有り難さを噛み締め、感謝の日々ですねん。

おおきに!!!



2013年12月 第2週

「SUPのおかげで」
「野生の果実のバースディケーキ」
ツツジ科のシャシャンボが熟する季節となりましたで。
果実の大きさは2ミリ程度で、熟したらブルーベリー色やねん。

それもそのはず、ブルーベリーと同じスノキ属でな、
シャシャンボを台座としてブルーベリーを接ぎ木しはる方もいてはるそうな。

あれは何年前やろか、週刊タイガーでもタイガー日記でもシャシャンボケーキをご紹介したのは。
あれから~、ずいぶん月日が過ぎましたワ。
ここ数年はケーキにする程、たくさんは採集出来へんかってん。
見つけてもその場で食べる程度かな。

それが、、、ですねん!

ワシとこ屋久島ガイドサービスちゅうですけど、以前からカヤックのツアーを行っていますんや。

で、今年から立ってするサーフィンのSUPちゅうてな、
スタンドアップパドルボードちゅうツアーも始めましてん。

そのおかげで、カヤックでは背の届かない高さの所に熟している
シャシャンボを採集出来るようになってん!
いや~、こんな嬉しい事はないで。

マイご主人さまには秘密やけど、まだまだSUPの知名度が少ないせいか、
ワシとこの会社の営業能力がないせいか(こっちが大や)あんまし仕事ないねん。

ま、あんなもん~どうかな~とワシは思っていたんやけどな、
それがそれがまさかシャシャンボの採集に役に立つとは思わんかったで。

マジでSUPばんざ~い!!

で、ボードの上に立ってヤクザルの雄叫びを聞き流しながら、
ケーキが出来る量を採集して来ましたで。

以前作ったシャシャンボケーキは、
シャシャンボを7~10日程ラム酒に浸けてから蜂蜜に浸けて
小麦粉と卵とで焼いていましたけど、

今回は、ラム酒に浸け込んだシャシャンボがメインなんやけど
完熟したバナナとのコラボレーションに挑戦してみましてん。

この仲人さんはシナモンさんですワ。

で、御見合いの会場がマイご主人さんの何回目かのバースディですねん。
野生の果実がエラいお洒落させてもろてまっせ~。

さて、お味の程はいかがでしょうかな?
う~ん、この御見合いも成功でしたぞ。

仲人さんが気が利いている~ではなく、
仲人役のシナモンが甘いバナナとプチプチした酸味のシャシャンボとの仲を取持って大成功。
自然の恵みに感謝です~。



2013年12月 第1週

「今年も出来る有り難さ」
「幸せの色は黄色」
今週もワシと弟分の猫のコヨージとの掛け合い漫才で行きまっせ~。
よろしゅうに。

タイガー:師走に入って皆さんホンマに、忙しそうにしてはりますな。

コヨージ:猫の手を借りに来る季節だにゃ。

タイガー:最近のおかんはもう瞬間湯沸かし器状態やで。

コヨージ:何の事かにゃ~。

タイガー:忙しくて時間がない時に限ってトラブルが起きてな、すぐ「か~っ!」となりよんねん。

コヨージ:例えば?

タイガー:ファクシミリ機で受信しょう~と思たら、紙送りのビラビラ部分が落ちてしもたり。

コヨージ:何やそれ?

タイガー:プラモデルの部品みたいなんが内部から出てきたんやと。

コヨージ:で、故障したのかにゃ。

タイガー:自分で修理したらしいで~。

コヨージ:そりゃまたすぐ、壊れるにゃ。

タイガー:ま、忙しくて時間がないと焦っている時ほど、そう簡単には事が運ばないのが世の常ですわな。

コヨージ:だにゃ。

タイガー:しかし、今年もポンカンが熟して「ちぎり方」に行かせてもらえて、幸せな事ですな。

コヨージ:瞬間湯沸かし器も「ポンカンのちぎり方」へ行ってたら穏やかになるにゃ。

タイガー:そうみたいやで~。畑に植えられて40年以上経つポンカンの樹と対話しながら収穫してたら幸せ感じるがな、な~っ。

コヨージ:そのうえポンカンの味見し、脚立の上からモッチョム岳見て、海見て、幸せなこっちゃにゃ。

タイガー:そやし、ワシらが暮らしている所は今の時期には辺り一面が「真っ黄、黄」になる頃で、幸せ感じるイエローカラーで満たされるしな。

コヨージ:ポンカンとツワブキの花で、ダブル黄色がよろしぃにゃ。

タイガー:忙しい頃やけど慌てず、心穏やかに過ごさなアキマヘンなぁ~マジで。ワシらも、ダブル黄色のようにあやかって、周りに温かい印象をかもし出さなあかんで。

コヨージ:黄色は太陽カラーやから温かく感じる色合いだにゃ。タイガーの場合は、どやろ?毛皮は虎柄で、温かい印象というよりも、、、、。

タイガー:いうよりも、、、なんやねん!ワシの虎柄にいちゃもんつけるんか~。

コヨージ:お、瞬間湯沸かし器!?心穏やかに、心穏やかにだにゃ~。

タイガー:それより、こんなオチでええんかいな。読んで下さっている方が瞬間湯沸かし器にならんか心配や~。

コヨージ:だにゃ、心穏やかにお願いしますにゃ。

タイガー&コヨージ:ワシら陽気な犬猫コンビ、ごきげんよう~♪



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