週刊タイガー 2013年6月

週刊タイガー


2013年6月 第4週

「無理矢理、引き離す」
「こんなん」
今週は、ワシとワシの弟分の猫のコヨージとの掛け合い漫才でいきまっせ~よろしゅうに。

コヨージ:またボクちんの出番ですかにゃ~。ここんこと雨続きで毛皮が濡れて乾かないからお手入れに忙しいのににゃ~。

タイガー:ホンマよう雨が降るなぁ~、ワシの虎の毛皮ももうカビカビやで。さてコヨージ君、あまりにも楽しい実験をしたんで聞いてくれまっか。

コヨージ:へ~なんの実験かにゃ。

タイガー:じつは偶然、人間の血を吸うているヤマビルを見つけましてな。無理矢理に皮膚から引き離すとヤマビルの歯が残ってしもて、いつまでも痛痒いからライターの火であぶって落とすのが良いと聞いた事あるねんけどな、そんな火あぶりの刑みたいな事、かわいそうやん。で、ある実験を思いついたんや。

コヨージ:ヤマビルって夜ではなく昼でもない、あのピョコタンピョコタンと尺取り虫のように寄ってきては血を吸う生き物の事だにゃ。

タイガー:ベタベタやな~。 あ、ヤマビルがヒルジンというのを吹き付けて血を止まらなくさせる技を持っていて血がベタベタや!というのとちゃうで~。

コヨージ:ボクちんの事やろ~、分かっているにゃ。それで「ある実験」って何なんかにゃ~。

タイガー:じつは背中におできが出来ている人がいててな、それを吸わせてみよか~という実験やねん。

コヨージ:はは~ん、昔からある民間療法を試してみるんやにゃ、おもろそうや。

タイガー:まず無理矢理引き離したヤマビルを逃がさないように小さな容器に移してん。それが咄嗟な事なんで何も無く、ペットボトルの蓋を容器にして逃げない様に、たまたま手元にあった包装紙で包んでん。

コヨージ:ヤマビルびっくりしたやろうにゃ~。

タイガー:いやいや、ビックリよりヤマビルはここからがお仕事やで。
おできが背中にある人の服を「実験させて~」と無理矢理脱がして、ヤマビルをおできの上に乗せてみてん。
ほななら、笑えるで~、ヤマビルは「嫌や~」とおできから脱出しようとするねん。
こりゃ実験にならんと、慌ててペットボトルの蓋で背中のおできに無理矢理のせたヤマビルを押し込めてん。

コヨージ:へ~?ヤマビルは「こんなん吸うぐらいやったら舌かんだる~」と言わんかったんかにゃ~。

タイガー:さぁ~それから30分位そのまま放置して、また様子を見る為にペットボトルの蓋を開けてみたんや。そしたら、吸うてるねん!チュ~っと。

コヨージ:その写真は無いのかにゃ~。

タイガー:あるねんけど、あまりにもリアルすぎて、リアルウェーブさんもお困りになるやろうとイラストにさせてもらいましたで。

コヨージ:それから?

タイガー:その後、何度も何度もヤマビルからか、おできからか白い液が出てくるねん。「これってヤマビルの冷や汗?」と笑いながら、約1時間以上経過して「もうダメ」とヤマビルの身体がパンパンに膨れ上がって撃沈。

コヨージ:その写真はあるのかにゃ~。

タイガー:あるけどリアルすぎるねん。まるでエスカルゴのコキールや、見方によれば「美味そう~」!

コヨージ:ない、ない、そりゃ無いにゃ。

タイガー:その後は血がとめどなく流れ出てバンドエイド何回、交換したか。

コヨージ:で、そのおできは無くなったん?

タイガー:翌日、バンドエイドはずしてみたら、おできはあるねんけど弾力性に欠けるねん。まぁ、漢方でいう古い血が滞っている「おけつ」ちゅうのは解消出来たような気がするで。

コヨージ:まぁ、それにしても暇やないと出来ない実験だにゃ~。「おけつ」って背中にあるのん、お尻じゃないのん?

タイガー:でへ、すんまへん。

タイガー&コヨージ:ワシら愉快な犬猫コンビ~ごきげんよう~。



2013年6月 第3週

「オレンジ色のソックス」
「いかにも亜熱帯」
鬱陶しい日々が続いていますが皆さん、いかがお過ごしかいな。

先週に引き続き、梅雨の真っただ中ですが、
ジトジト、ムシムシ、何もしてへんでも汗がダラダラ出て来ますワ。

ワシの夢はいっぺんでエエからクーラーの効いた部屋で昼寝してみたいなぁ~。
あ~ええなぁ~涼しいやろうな~。

はいな、ワシん家はそんなエエもんあらへんで。
さて蒸し暑い家の中に居るよりも外に出かけた方がまだマシや~、ちゅう事で散歩に出かけよう~。

おや、竹に群がっているカメムシを発見!
「アカン~気持ち悪い~」

大変申し訳ないけど、このカメムシはワシとは相性悪いみたいや。
竹の汁を吸っているからではなく、ルックス、みかけがアカンねん!

このオレンジ色のソックスを履いているのが気持ち悪いワ~。
わ~ハイソックスも履いとる。

ゴメンな好き嫌い言うてな~、このカメムシの名前はヒゲナガヘリカメムシと言うそうな。
(お、ヒゲみたいな長い触角にもオレンジ色が目立っているがな~おぉアカン。)

この気持ち悪いソックスのおかげで図鑑見てたらすぐ名前が判明したで。
南方新社発行の「昆虫の図鑑-採集と標本の作り方」の中に出てました。

分布は九州の南から沖縄とあって、
近年侵入した種でと書いてあるから元々は居なかったんやな。

う~ん、どこ原産のカメムシか知れんけど
「かめへん、かめへん」とは言いがたいカメムシやで~ほんまに。
ま、好みの問題でそこまで毛嫌いしたらんでもエエのに~、というお叱りを受けそうですな。

では、誰か見ても綺麗やと思われる蛾のサツマニシキやけど、
これもこの配色が苦手な方も居られるはず。

ことわざで「十人十色」と言いますやろ。
あ、この場合は虫なだけに「蓼喰ふ虫も好き好き」の方がシックリくるかもな。

ま、綺麗過ぎる蛾のサツマニシキは、いかにも亜熱帯という雰囲気のする蛾や。
鬱蒼とした樹々の中でもすぐ見分けがつくようなド派手な配色で、幼虫の時もド派手やねんで。
そや、この蛾の食樹は、ヤマモガシという摩訶不思議な花を咲かす樹なのですな。

あ~早く梅雨が終わって夏が来ーへんかな、早よヤマモガシの花が見たいなぁ。

毎日毎日、雨が降り続き、なんぼ恵みの雨やというても嫌気がさして来ますなぁ。
けど雨降りでも一歩外に出れば、色々な生き物達が今日もどっこい生きている。

生き残る為に子孫を残す為に姿や形や色彩まで工夫して、あちこちうごめいてはります。
この生き物達のおかげでワシらも生かされているねんなぁ~と再認識する梅雨の1日でしたぞ。

「好きやとか嫌いとか」見た目で判断してゴメンナサイ~。



2013年6月 第2週

「よう降るわ」
「雨宿り」
毎日まいにち、ようけ雨が降ります。
今年の梅雨は例年よりも雨が多いような気がするねんけど、どないやろ。

ラジオを聞いていると日本列島どっちかというと「雨が足らん」みたいですな。
梅雨時にしっかり雨が降ってもらわな、作物が出来へんし、かなんなぁ~。

雨乞いしなアカンかと思たら、来んでもええ台風がどうやら雨をもたらすみたいやな。
早々と発生した台風3号!

えらい早いお出ましやな、最初の予想と違い、関東地方へ向かってまっせ!

何も被害がないとええねんけど、神さんホンマ頼みまっせ~。

さて、降り方によっては「災害」になる雨やけど、
本格的な夏が来る前にちゃんと降ってもらわな大変困るんやなぁ。

恵みの雨がいちばん、よろしぃなぁ~。

田んぼの水がカラカラになったら、お米が育たんがな。
貯水池などがカラカラなったら、どうするねん。
誠に勝手かも知れんけど、適度の雨が嬉しいですな。

さてこの雨ですけど、ポツポツ、シトシト、この程度の雨なら大歓迎ですな。

「シトシト、ピッチャン、シトピッチャン、シ~ト~ピッ~チャン♪♪」

上手に雨音を表現しはりましたな~、「子連れ狼」ちゅう時代劇の挿入歌ですワ!
かなり古くて誰も知らんかもな~、アカンかも。

「雨がシトシト降っていた~♪♪」
こんな歌もありましたな、これも古いしアカン。

雨をテーマにした歌や映画って多いですな~。
「雨をテーマにした映画で思いだすのは?」と、知り合いに聞いてみたら盛り上がるかもな。

ワシは勿論、屋久島が舞台の「浮き雲」ですぞ。
モノクロ映画で最初から最後まで雨降っていた気がするな。
屋久島に住んでいるワシが「そこまで降るか~」ちゅう位に映画の中で降っていたで。

さて、雨にも段階がありましてな~。

ザーっとなると早よ帰ろう~と急ぎますなぁ。
ゴーっとなると雨宿りしなアカン。

ワシ今年で13歳になるねんけど、
13年生きているとだいたいヤバい雨ちゅうのが分かって来るようになりましたで。

ゴーっちゅうのが1時間以上も続いたら沢は増水しますワ。
今朝なんかそのゴーっが軽く3時間程も続いて降りましたで。

大雨洪水警報が発令されましたが、発令されんでも充分分かりまっせ~、ヤバいちゅうのが。

目を開けているのが苦痛な程や、
ワシはお座敷犬やないから大雨が頭の上に直撃やねん、もう辛いワ~。

少し空が明るくなってきたら今のうちに外仕事を済ませておかな、
引き続きまたゴーっが来まっせ~。

で、見つけたものの紹介ですねん。
きゃ~素敵なタープを発見。

亜熱帯に分布するウラジロエノキの樹の下で雨粒と共にピカピカしてはります。

ウラジロエノキの葯がクモの糸に引っかかっているんやなぁ~、かなり芸術的な天幕や。
雨をテーマにしたディスプレイやお芝居などの演出に使えそうやな~。

自然界はやっぱしスゴい。
考えられない美ですワ。

もひとつは、ヨダレが出て行きそうな程のビューティ降る、
いやいや、ビューティフルバタフライですワ。

ツマグロヒョウモンさんの雨宿り。
触角に小さな雫がついてはります。

ワシの毛皮みたいに鱗粉に守られているとはいえ、
大雨に当たって命とりになる可能性は大やろうな。

「頑張ってや~!!」

あ、また降って来たで~、早よ帰ろう~。
傘などなんの役にも立たない雨がまたまた降って来たで~、またな~。



2013年6月 第1週

「ヤマモモ」
「よう頑張ったで」
まいど!
6月に突入ですな~、今年も残り半分や、気張って行こうな~。

で、梅雨時期はもうメチャメチャ忙しいのですワ。

蒸し暑いし、流し虫(シロアリ)はアホほど出るし、洗濯物は乾かんし、
ええとこ無しの梅雨やねんけども、実りの秋ではなく「実りの梅雨」なんやで。

今朝もクワの実とホウロクイチゴとヤマモモを散歩しながら食べさせて貰ってんけど、
有り難い事ですワ。

全くの天然でな採取しながら口へ入れるんやけど、
たまに口の中がゴソゴソするねん、よう見たら蟻まで食べてましたで。
それこそ「アリ~っ!」で、蟻から見れば「そんなのアリ~っ!」ですがな。

ワシん所のご近所には自生しているヤマモモが結構ありますねん。
熟して落ちたのを好んで食べるのがワシのこの時期の楽しみやねんけど、
庭にも大きい樹が1本ありますんや。

マイご主人さまが植木市で購入して来た園芸種のヤマモモやて。
果実は、自生しているのと比べると軽く2倍は大きいねん。

そやけど大きくても甘味は少ないしで、例年それほど重視してへんかってん。
それが、ですねん、、、今年は豊作プラスごつっい甘いねん、なんでやろ~?
植えて30年ぐらい経つんやけど、今頃、やる気になって来はったんかもなー。

で、ヤマモモシロップをこしらえてみてん。

種が小さいんで、果実は取り出しシロップのみを瓶詰めにしたんや。
3個の瓶の一番左端やねん、べっこう色やろ。

では隣の2個は何かと言うと、真ん中のはひと月前に作ったビワのシロップ、
右端が出来たてホヤホヤのスモモのシロップやねん。

ヤマモモ、ビワ、スモモと3種のシロップをこしらえた訳ですワ。
マジで「よう頑張った」し、マジで「暇やな~」とゴッツイ感心される事やと思います。

さて味見や、ヤマモモは爽やか、ビワは濃厚、スモモも爽やか。
しかし贅沢なこっちゃな~、3種も果実が揃うなんて「シロップ屋さん」出来るんとちゃうか~。

夏の暑い時に水で割ってジュースにしても良し、ゼリーなどお菓子に使っても良し、
ところてんにかけて食べてもよし、色々な食べ方が出来ますワ。

「あぁ、おいち」ごちそうさまでした。



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