
大勢の登山者が訪れる山小屋で、朝の出発時に小屋の主人が登山者の靴の履き方を観察していると、正しく履いている人は、10人中たった1人か2人だそうです。
履き方によって足への負担度が変わってきます。まずは基本中の基本、正しい登山靴の履き方をマスターしましょう。
1.足を靴に入れたら爪先をあげてかかとで床を叩く。
2.そのままの状態で靴紐をしっかり締める。
たったこれだけです。こうすることで爪先に余裕ができ、爪を痛めたり、かかとが動いて靴擦れになることを防いでくれるのです。 |

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登山靴を履いて表にでたら、ザックを背負う前に足腰の関節や筋肉を動かす準備運動をします。特に中高年の方にはぜひ実行して頂きたい運動です。
足首を回し、両膝の屈伸をし、腰も左右、前後の屈伸、回転を行ないます。足を前後に大きく開いて後ろ足の膝の裏とアキレス腱を伸ばして1分。これをそれぞれ5〜6回繰り返すだけで準備運動は十分です。 |

山歩きは、思いのほか多く汗をかきます。水分が不足する前に、休憩ごとにこまめに水を飲みましょう。スポーツドリンクは、電解質のバランスが整えられた飲み物で、体に吸収しやすいものです。粉末タイプは山に携帯するのにも便利です。
※電解質
水分をうまく吸収させるために必要な成分で、ポカリスエットやアクエリアスなど、○○イオン飲料と表示されている飲み物に含まれています。 |

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膝や腰などが痛む人はサポーターを利用すると良いでしょう。関節の周りの筋肉を支え、適正な負荷を保つことで痛みを緩和することができます。サポーターは関節を保温する働きもあるので効果的です。 |

・登りがきついほど歩幅を短くした方が疲れません。
・段差が大きく一歩であがるには苦しい箇所は足元をよくみて、中間に小さな足場があればそれを利用し、二歩で登ることも大切な要領です。
・転倒、滑落はほとんど下りで発生します。
・急斜面での下りはゆっくり靴全体を地面におろします。
・ストックをもっている場合も過信せず、足場を確認しながら慎重に下ります。 |

宮之浦岳近くなどでは岩場が連続してでてきます。こういった大きな段差のある場所では、手足のうちの3箇所が常にどこかを掴んでいる状態にしながら、次の一歩を踏み出すようにするとバランスを崩す危険が少なくなります。 |

濡れた木と登山靴は相性が悪く大変滑りやすいので細心の注意が必要です。
特に丸太の上はいつ滑ってもおかしくありませんので、油断をせず1人づつ慎重に渡るようにします。
周りに岩や木があればつかまっておくと安心です。 |
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体のバランスをとりにくい場所では立ち木の枝やヤブを掴むことがありますが、その掴んでいる木が腐っていたり枯れていたり、ただの落ちた枝だったりした場合、そのまま転倒、滑落する危険があります。
体重をかけてしまう前に、枝を軽くひっぱってみて重みに耐えられるかどうかを確認してから利用するようにします。 |
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斜面の上に積もった落ち葉の上を歩く時も細心の注意が必要です。フカフカとした落ち葉の上は不安定で踏みしめにくいものなので、特に傾斜地を歩く時は注意しましょう。 |

崖はその下の部分が大きくえぐれて、極めて崩れやすい状態になっていることがあります。崖の下の景色を一目見ようとして大惨事になることがないよう、くれぐれも崖には近づかないようにしましょう |

屋久島の山は谷が深く、山にふった雨は一気に沢に集まり、瞬く間に増水します。
宮之浦岳や縄文杉登山後、白谷雲水峡を通って下山するルートがありますが、このルートは大雨が降ると増水して渡れなくなります。
雲行きがあやしくなってきたり、雨が降ってきた場合には、必ず荒川登山口から下山するようにします。 |
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登山道を示す目印として、ある程度の間隔ごとにピンクのビニールテープが木の枝につけられています。島内でみかけるポスターや看板にも、このピンクのテープを目印にして下さいとよくかかれています。基本的には正しいことなのですが、下記のような勘違いしやすい例がありますので過信せず、常にルートを確認したり、おかしいなと思ったら直ちに引き返すように注意をして下さい。
・ヤクスギランドと太忠岳の中ほどでは200メートル四方のプロット調査をしているので、そのあたり一帯ピンクのテープだらけでそれを頼りにしたら必ず迷う。
・立ち入り禁止場所を示すために、長く張られていたテープが何かの原因で切れてしまい、枝に残ったテープがパッと見には登山道を示すものに見えてしまう。 |
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