屋久島の前岳に「前岳の三奇峰」というのがありまんねん。
ちょうどワシの家からこの三奇峰がええ角度で見えますねんで。
その中の1つに七五岳という山がありますんや。
でな、今週はこの山についての話ですねん。
屋久島で昔から語りつがれている悲しい話から、いきまっせ。
むかし、むかしあるところに、おじいさんとおばあさんがおってな。
ちゃうちゃう、そんな出だしではありませんねん。
ワシの住んでる平内よりも西へ2つ行った、中間(なかま)という集落での話なんや。
むかし、7才になる綺麗な女の子がいたそうじゃ。
(ワシ、おじい風にしゃべんで)
その女の子がある日突然いなくなって、
そりゃもう皆でほうぼう探しまわったが見つからなかったそうじゃ。
で、だいぶたったある日の事じゃ。
ひとりの狩人が七五岳の大きな樹の根元に女の子の下駄を見つけたんじゃと。
狩人が女の子の両親に見せると間違いない、うちの子のじゃ。と言いなすって、
また探したが結局、女の子は見つからなかったんじゃと。
それからこの山をこの女の子にちなんで『七子岳』と呼ぶようになったそうじゃ。
うぇ〜ん悲しい話や、いわゆる「神隠し」におうた話なんや。
ところで今は七子岳の『子』が数字の『五』に変わっているけど、どうゆうこっちゃ。
じつは関係あれへんけど、ワシの生まれた場所は七五岳のふもと、中間集落なんやワ。
関係ないけど、縁のある話やで。
ほな、悲しい話の後は楽しい話に切り替えまひょか。
この七五岳、ワシの家の前からは見てのとおり、亀が山に登っている形をしてるんですワ。
童話にウサギと亀のかけくらべと言うのがありますやろ、
かけっこの早いウサギは足の遅い亀に余裕をかまして昼寝してもうて、
亀が「お先に〜」ゆーてゴールしてまうオチがある、アレですな。
この七五岳近辺にもウサギはおりますんやろか。
はいな、是非見に来て、ウサギがどこで寝てるか探しに来てや〜。
で、もひとつ、この七五岳はおもろい山で、「表と裏」がありますねん。
独断と偏見で、ワシの家の前から見える亀が登っているんが「表」でな。
ずーっと西に行って見えるんが「裏」ですねん。
この「裏」の形、スゴイで、同じ山かいな!と疑う程、変化しましてな。
あの恐ろしい鬼の角の様に見えるねんで。
人間は表裏のある人は嫌われるけど、自然界はなんでもありやさかいなぁ、
景色や景観の変化が富んでる方が、よろしいと言う事ですわな。
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